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Sさんのこころ

昨年の暮れからトレーニングホームでの生活を始めたSさん。

当初、彼女の地域生活体験には殆どのスタッフが反対意見であった。理由は“彼女はストレスが高じるとフッといなくなってしまうじゃないですか。一昨年のような重大事故を招くだけじゃないですか”ということであった。確かに彼女は以前、スタッフのちょっとした言葉掛けが原因でまる一昼夜冬の寒さの中で所在不明になったのである。気温は氷点下で防寒着すら着けずに出て行った。職員に警察、警察犬まで含めて広域に捜索したが24時間以上経っても発見できず、正直私も最悪の事態を考えた。職員の疲労度もピークに達し半ば諦めかけていた時、最終確認に出ていた警官が発見してくれた。顔と手は軽度の凍傷になり、低体温症で意識朦朧とした状態であった。私がその彼女を地域移行のメンバーにしたことにほぼ全員が“NO”と云ったのである。(※ここから先は話が長くなるので省略しましが)

そんな彼女もトレーニングホームでの生活は自分が予想していた以上に快適で“園を離れてみてよかった。ここにずっといたい”と話していた。数日前、そのSさんに4月からの生活をどうするかを伺ってみた。すると、全く予想もしなかった言葉が返ってきた。
“ここに来てやっと安心して自分の生活が嬉しく感じる。はじめは不安もあったけどやって良かった”と。驚いたのはその後で“本当はこのままトレーニングホームで生活したいけど、この生活を他の人にもさせてあげたい。私だけが嬉しくてもダメだから”というのである。正直云ってこの時こそ“トレーニングホームも案外良い結果を見せてくれるな”と嬉しく思ったと同時に、Sさんの心の広さと暖かさに心底感動した。恥ずかしいが彼女のはにかんだ笑顔とその話で涙をこらえることが出来なかった。

昨年既に登場しているkさんやSさんがどれだけのメンバーに活きる意欲を呼び起こさせたことか。この気持ちに応えるために、彼女達の地域移行を成し遂げたいと思う。早速今日市内の不動産業者に借家物件を見せて貰った。早ければ10月には地域生活に移行できるようにしようと思う。

Sさん、本当に有り難う。
これからも一緒にいさせてください。
ヨロシクお願いします。

時間を取り戻せるように

~5月にトレーニングホームで生活を始めた5名の男性のその後~
あれから半年が過ぎ、2日前にはトレーニングホームを出て住宅街にある普通の1戸建て住宅に移る事が出来た。何度か利用者さん同士で大きなトラブルもあったが都度それなりに解決してきている。

何かと話題の中心になるKさんなどは、いつの間にか玄関先に自分の表札をちゃっかりと出しており“いつからここがKさんのウチになったの”というと舌を出して笑っている。

なんだかんだといっても、こうした生活が普通に出来ていると云う事実。地域移行の取り組みに常に後ろ向きなのはやはり当事者ではなくて支援者と云われている者だとつくづく思う。

~そしてまた新しい挑戦~
5名の男性が出たトレーニングホームに今度は女性5名が施設から移った。
男性に比して女性は難しい方々で、2ヶ月前に私がこのプロジェクトを提案した時には半数以上の職員が“リアクションなし”の反対を示していた。

確かに昨日も興奮から不穏になり、殆ど入眠できない方がいた。でもそれも当然のことだと思う。
これまでの集団生活で受けてきた制約から解放された瞬間なのだから.............

N子さんもK代さんも、あせらずにゆっくりと自分の生活を築いていきましょう。

テーマ : 障害者の自立
ジャンル : 福祉・ボランティア

無題

先般、Yさんが胆嚢癌で73歳で無くなった。

Yさんが残したもの。
誰にも負けない優しい笑顔。
いつも穏やかにみんなを見守っているかのような優しい笑顔でした。

今、私の手元にはYさんが描いてくれた私の似顔絵が一枚残っています。
あまり私には似ていないような気がするのですが、Yさんの優しさが伝わるものです。

Yさんと一緒に過ごした時間はその絵と同じくらい私の宝物です。

君にしか聞こえない

テーマ : 現場職員のぼやき・悩み
ジャンル : 福祉・ボランティア

Nさんの生涯

昨日、4年近く入院していたNさんが68歳で亡くなった。

2.3日状態が思わしくないと聞き、病室へ伺ったときは既に血圧も下がり看護師長からも“難しいですね”と伝えられた。遠く離れて暮らしているご家族の代わりに退所後もずっとNさんの身の回りの世話をしていたK職員は、涙を抑えきれず咽び泣きながらNさんの体を何時間もさすっていた。私もNさんの体に触れながら“もう十分に頑張ったから、あとはゆっくり眠ろうね”と声をかけた。

3日間殆ど不眠でNさんの側についていたK職員を気遣って“お姉ちゃんには本当に世話をかけた。最終のバス時間になるまでは俺がついているから帰って休んでちょうだい”と云う実兄の言葉に甘え、2人で病院を離れた2時間あと、本当に苦しむ様子もなくお兄さんに見守られ静かに逝ったとのことであった。

納棺の前に斎場でNさんの子どもの頃の話を伺った。“預けられた家で辛い思いをすると仕事場にきてすがりつく妹が可哀想でたまらなかった”と云う。“何もしてやれなかったがやっと父母の側に送ってやれる。”と穏やかな口調で話すお兄さんを見ていると、Nさんご本人やお兄さんのこれまでの生き様に無常観(※適切な言葉ではないかもしれません。哲学的にも宗教学的にも)といったものを感じずにはいられない、何とも云いようのないはかなさを感じた。

Nさんの68年の人生のなかでどれだけ安らぎの時間を持てたのか。私はNさんに何が出来たのだろうか。Nさんのご冥福を祈りつつ、これから私自身がしなければならないことを考えてみようと思う。
だからbaby

テーマ : つぶやき
ジャンル : 福祉・ボランティア

緊迫した出来事

一昨日の早朝、トレーニングホームの管理宿直に入っていた職員から携帯に電話があった。

“Aさんがいつもの起床時間になっても部屋から出てこないので様子を見に行ったら、いびきをかいていて全く応答がない”とのこと。彼女のその口調からはかなり緊迫した様子が感じられたのだが、Aさんはもともと高いびきをかく方だったこともあり“もう少し様子を見て”と一端電話を切った。しかし10分後に再び“やはり何度声をかけてもいびきがやまない。体を揺すっても反応もない。とにかく心配なので”と云うのでトレーニングホームに急行した。

57歳になったAさんは確かに前日の行事の際もいつになくおとなしく、大好きなビールも飲んでいる様子がなかったため“ひょっとすると”と思い瞳孔散大の確認と痛覚刺激を与えてみるとそれぞれ反応はあったが、いくら声をかけても覚醒する様子がないためすぐに救急車を要請した。数分後に到着した救急隊員の手際の良さに関心する間もなく、Aさんと発見者の職員は市内の脳外科に搬送されていった。そして数十分後、同行していった職員から“今、覚醒し何事もなかったかのようにしています。Drからは爆睡していたのでしょうと大笑いされました。一応、MRIと心電図の検査をして帰ります。”との電話であった。

ホッとした反面、そういえば担架に乗せられた時、一瞬私の顔をキッと見つめたことを思い出した。“さては、はじめから覚醒していたのでは”と思うと、なんともため息をつきたくなってしまった。それからさらに数時間してトレーニングホームの自室に戻ったAさんは職員には何も云わずに再び入眠し、結局終日食事も摂らずに自室にこもっていたとのこと。

翌日、何事もなかったかのように私の前に現れ、更に何事もなかったかのように“今日は●△□×◎・・・・・でさぁ~”と切り出した。さすがに私も“その前に昨日のことはどうなっているの?自分がどういう状況にあったのか分かっているの?少なくてもたくさんの人に迷惑をかけたと云う大変なことをしたということを気にしていないのか?”と声を荒げてしまった。

Aさんは“俺は何も分からない。気がついたら自分の部屋で寝ていたから”と、何とも言い訳にもならないことを話し出した。“救急車に乗せられる前にはもう自分でしたことが大変なことだと分かっていたでしょ。その前にもう少し考えなきゃ。少なくても一番心配をかけたMさんにはしっかりと誤らなくちゃいけないでしょ。それに、Aさんがそうやっている間に本当に救急の人がいたら・・・・・”と散々説教をしてしまった。すっかり肩を落としたAさんはその後何も話すことなく私の前から去っていった。

出来事から2日目の今日、トレーニングホームにいった職員のMさんに、いつもは高飛車なAさんが“昨日は本当にごめんなさい”と平謝りしたらしい。今回の事はAさんの心の中に大きな教訓となっただろうし、また支援する側にも中高齢者の健康管理や緊急時の対応手段について確認することが出来たと思う。

地域生活するうえで必要な支援 日々の生活から何を感じ取るか?
一度、スタッフ全員で確認作業をしなければならないと思う出来事であった。

テーマ : 障害者の自立
ジャンル : 福祉・ボランティア

プロフィール

どんぐり隊長

Author:どんぐり隊長
知的障がいの方の入所施設に勤めてはや20数年。入所型施設の意義は?あるべき姿は?施設に求められているものはなにか?職員(支援者)の存在価値や倫理は?を常に自問自答しつつ、日々の仕事で感じたことを平易に書き連ねてみたいと思っています。

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