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数日後のSさん

“他の人にもトレーニングホームを体験させてあげたい”と語ってくれたSさん。

実は一昨日、出勤直後にトレーニングホームの支援に入っていた女性スタッフからSさんの様子がおかしいとヘルプコールが入った。早速トレーニングホームへ行くと“昨日の夕方から部屋に籠もって出てこない。食事も2食摂っていない”とのことだった。
部屋のドアをノックするが返事はなく、ずっとベットに横になっているので“どうしたの?大丈夫かい”と声をかけると一瞬ニッコリと笑顔を見せたが次の瞬間大粒の涙を流し“なぜ職員は辞めていくの?”と泣き崩れてしまった。彼女の不穏の原因はどうやら慣れ親しんだ女性スタッフの“退職”ということが切っ掛けになり、これまでコントロールしていた心を抑えきれなくなったらしい。

心配そうに同居しているメンバーが部屋を覗いていたため“大丈夫だから”と仕事に行くように促し、私1人彼女に付き合うことにした。元々精神疾患を持っている彼女は他者とのコミュニケーションでの課題も多いため、信頼関係が出来上がった人意外の関わりを極度に嫌うところがあり、時に大きなパニックを起こしてしまうことがる。一通り彼女の訴えを聴いたあと“今日は仕事に行かなくてもいいから一緒に居よう”と伝えるとかなり安心した様子であった。

取りあえず遅めの朝食を摂って貰ったあと、2時間ほど彼女の話を聴いて分かったのは、
●本当はこのまま施設に戻らずに生活したいということ。
●実はこの3ヶ月、本当は我慢していたことが2つあったと云うこと。

“本当はこのままトレーニングホームで暮らしたい”というのは彼女に限らずごく自然な欲求で、それに関してはなんとか継続できるように方法を考えていることを伝えるととても嬉しそうであった。しかし“誰が担当してくれるの?”と自分が安心して話せるスタッフが欲しいということであった。

更に我慢していたこととは、“夕食の後でお風呂にゆっくりと入りたい”ことと“ご飯作りを自分もしたい”ということであった。確かにトレーニングホームも6人の共同生活のため、彼女の思い通りに行かないところが多かったのだと思う。さらにそれを素直に伝えられないのが彼女なのだが、スタッフはそれに気がつかないままだったのだ。

小学生の頃から30年近く施設という集団の中で暮らし、個性や自分らしさ(時には感情そのもの)を抑えることを求められ続けてきた彼女の時間をどうやって取り戻していくか。日常という普段着の生活が送れる環境を用意することに合わせて、彼女の失ってきた“心”のケアをゆっくりとしていかなければならないと思う。

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プロフィール

どんぐり隊長

Author:どんぐり隊長
知的障がいの方の入所施設に勤めてはや20数年。入所型施設の意義は?あるべき姿は?施設に求められているものはなにか?職員(支援者)の存在価値や倫理は?を常に自問自答しつつ、日々の仕事で感じたことを平易に書き連ねてみたいと思っています。

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