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高齢の利用者を支える課題

20数年間入所施設で暮らしてきたTさん。既に70歳を迎え足腰の衰えが顕著になってきている。前に話題になったYさん同様“俺も本当はここは嫌なんだ”と、7年前に私が着任した初日にそっと話してくれた方だ。

今現在は施設から離れトレーニングホームで同年代のメンバー4人と穏やかに暮らしている。大好きなタバコも長年患っている気管支炎や間質性肺炎のために咳き込むばかりになってしまった。

“Tさん、もうタバコ止めたら”と私
“. ....止めない”とTさん

そんな遣り取りを何年も続けてきたのだが、最近急に“今、持ってるの無くなったらもう止める。その代わりに......”と色々な気持ちを伝えてくるようになった。

“うんまい蕎麦、食いに行くべ。帰りに団子買って来るべ”
“来年はドングリと2人で旅行に行くべ”
“エッチな映画見に行くべ”
“ドングリのウチに遊びに行くべ”

何のことはないこんな気持ちをずっと心の底に仕舞い込んでいたのかと思うと、この20数年間という時間の重み(※Tさんにとっては空白に時間に等しい)を感じ、胸を締め付けられる思いがする。出身地の障がい福祉担当者はTさんの地域移行には未だに反対の意向だが、Tさんの暮らしの実態を見ていないし第一直接話ご本人の気持ちを伺ってもいない。同様のケース(知的の高齢者を地域移行する)で難色を示すのはその自治体だけなのだ。まぁ最終的には不服申し立てをするつもりでいる。

実は本題は別で、昨日Tさんの保護者になっている義姉が面会に来られ“保護者を実弟に変えて貰いたい”と云うことであった。詳細にはふれないが、2年前にTさんの保護者であった実兄が亡くなりその後義姉が引き受けてくれていたが、Tさん親族の財産相続の件で他の兄弟との関係で辟易しているということらしい。このままTさんの預貯金の一部管理を続けていると、Tさんが亡くなったときに何を言われるかと思うと耐えられないということらしい。(※実際には亡兄が全てを管理していたため、この義姉はTさんに関することは一切分からなかったとのこと)

Tさんご本人にも保障されるべき相続権や財産権があることを伝え、不動産や遺産などの相続財産は別としても、ご本人の預貯金や年金、労災補償金はご本人の生活費としてお返しするほうが良いとアドバイスをした。ご本人にも面会の後で私からこの話を伝えると“そうか、嫁さんにも迷惑かけたな”と淋しそうに宙を見つめていた。

若い頃、造材の仕事で山には入り重機の下敷きになり障がいを負ったTさん。

残り何年間かの人生を、20数年の空白の時間を取り戻せるように支えていきたいのだが、年齢が上がるにつれて失っていく家族の絆もあるということに、なんとも歯がゆい気持ちになった。



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プロフィール

どんぐり隊長

Author:どんぐり隊長
知的障がいの方の入所施設に勤めてはや20数年。入所型施設の意義は?あるべき姿は?施設に求められているものはなにか?職員(支援者)の存在価値や倫理は?を常に自問自答しつつ、日々の仕事で感じたことを平易に書き連ねてみたいと思っています。

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