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施設の新体系移行

先日、某協会の特別研修に参加してきた。
テーマは“障がいのある人が安心して暮らせる地域をめざして”と題し、新体系移行後の施設から早急に改善が必要な課題や、地域間格差の問題、福祉施設に於ける労務管理や夜勤導入における課題であった。いずれの報告も“入所施設の存続に関わる大きな課題”として
・日額払いによる収入減
・事務量の増加
・相談支援体制の脆弱さ
・経営上の課題(人材育成と確保、質の高いサービスの提供、経営能力の向上)
などが切実に語られていた。

途中、ある参加者が“当事者の生活や人生を蔑ろにしてきた支援者の責任が問われる時”であり、“あらためて支援者が襟を正すべき時”と語っていた。その方は入所施設を解体し完全移行を遂げた自負があるためか常に雄弁であった。確かに障がいの軽重によらず全ての人が地域移行できることを実証されたのも事実である。しかしそれが全ての町村郡部に至るまで可能かと云えば極めて困難なことである。

法人の独自性と称して運営内容には殆ど触れられることなく会計上の監査を繰り返してきた行政の在り方や都市部と郡部での地域性の違いから“明らかに異なっていた”入所施設の設置目的など、自立支援法によって全て解決されるのかとても疑問の多いところでもある。今回同席していた某施設長の冴えない表情が何を物語って居たのか。その施設は措置時代に設置された授産施設で比較的障がいの軽度の利用者が入所していた施設である。障がい程度区分が1~2相当の利用者が殆どのその施設は否応なしに時期閉鎖を余儀なくされると思う。しかしその施設が設置された当時、行政はそうした当事者の人生や生活を法人に丸投げした責任をどう感じているのか。万が一、その方々が施設を退所して地域に還流したときに、どういった支援をしていこうと考えていたのか。

1ヶ月ほど前の事だが、人口約16万人ほど当市とは比較にならないほどの大都である某市の保健福祉部障がい担当者に“社会資源や相談支援の充実した出身地へ帰りたいと云っている利用者さんを受け入れる用意はありますか?”と相談を投げかけたところ“そういった人が地域でトラブルを起こしたときの受け皿がない。そちらで対処して欲しい。”といった回答であった。唖然とした私は“そちらの障害者福祉計画にも当然、数値目標があってその対象になっている方だと思いますがどのようなおつもりでの発言ですか”と問いただすと“その方自身を私は良く存じていないからです”とのこと。大都市の行政担当者がこんな調子では自立支援法も障害者計画もその実効性に大きな疑問を持ってしまうような出来事であった。

研修会の話題に戻って、“当事者のニーズに誠意を持って誠実に応えなければ、その方の人生遅れをつくってしまうことの責任を感じるべきだ”と語っていたシンポジストがいた。“新しい福祉を創造する時”と語られた司会者もいた。

障がいによっては日常生活を送ることさえ極めて困難な状況にある当事者が居ると云う事実も忘れてはならないことだと思う。それを踏まえたうえで入所施設の本来目的を確認し、規模の縮小や療育機能の専門化、地域支援の機関施設としての在り方などを確認することも必要ではないか。
まずはこれまでの漫然とした施設運営を脱却することをスタッフ全員が認識しなければならないであろうし、そこから踏み出せない職員は自ずと居場所や存在価値そのものを問われることになるのはそう先のことではないということを知るべきだと思う。
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テーマ : 現場職員のぼやき・悩み
ジャンル : 福祉・ボランティア

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どんぐり隊長

Author:どんぐり隊長
知的障がいの方の入所施設に勤めてはや20数年。入所型施設の意義は?あるべき姿は?施設に求められているものはなにか?職員(支援者)の存在価値や倫理は?を常に自問自答しつつ、日々の仕事で感じたことを平易に書き連ねてみたいと思っています。

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