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退職していく若者

“ちょっとお話があるんですけど”
と唐突に切り出した彼は、この2年数ヶ月勤めた間に鬱積した虚脱感を一気に吐き出そうとしている様子がはっきりと現れていた。

“このままここで勤めていても正職員になる可能性は低いので、早く別の仕事を探そうと思います”と云うのが彼が私に話した退職理由であった。しかしことの真意はそうではないらしく“自分が認められていない”という疎外感に耐えられなかったということを他の職員から聞いた。

前職は全く別職種であり勤務する際の大きな理由も“福祉系に興味があったから”と云っていた。それに加えて二十歳そこそこの彼の姿には、重度若しくは高齢の障がい当事者がどのように見えているのか疑問を感じるような仕事ぶりを見ることが多々あった。

勤めだして1週間ほど経ったとき“どうだい?調子は?”と聞くとなんの迷いもなく“もう慣れました。大丈夫です”と返事を返した彼に“何が分かったの?”と思わず聞き返したことがあった。あの時既に彼にこの仕事は難しいのではないかと直感したのだが、やはりそれ以降色々な思惑違いが見て取れた。

今年の春には“これからもこの仕事を続けていくのであれば、経験だけではやっていけない”ということを彼に伝えたのだが、私が話したことは彼にはどうも理解出来なかったらしい。

辞めて行く君へ 

やり直しはいくらでも出来る、ただ苦しさから逃げることを繰り返しちゃいけない。
“ここは踏ん張りどころ”と云う時に、もう一度自分が何をしなければならないのか。それを考えてみることも必要だと思う。相手を理解しようとするのであれば、その自分自身をもう一度改めて見つめ直すことも必要ではないだろうか。

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テーマ : 現場職員のぼやき・悩み
ジャンル : 福祉・ボランティア

介護の現場を考える

オリンピックの話題の裏でちょっと気になる記事があった。“介護の現場に外国人を導入”するという。理由は“介護職が不足している”ことが上げられていた。

本当にそれで人手不足が解消され介護の質が保たれるのか。様々な希望を持って来日される方々の決断と行動力には頭が下がるが、ご本人達にとっても一生を左右する事でだと思う。介護職の行動倫理や具体的な技術については国が違っても変わるものではないかもしれないが、生活文化の違いは介護を受ける側にもする側にも大きな壁になるのではないか。

確かに人手不足を解消するカンフル剤としてはインパクトはあるかもしれないが、根本的な課題を積み残したままでは“焼け石に水”で終わってしまい、結局は良い形で定着することはないと思う。潜在している有資格の介護職は相当数いるにも関わらず、身分保障(非正規雇用)や給与格差(低賃金)によって現場を去っていく人が多いとも聞く。“クオリティを上げて”行かなければ、事業所そのものが淘汰されていくといいつつも、その介護の質を担保できない現状を国はどう考えているのか。そうした現場の声が届いているのか。

私の勤務する施設でもようやく賃金職員の給与・待遇について検討し始めた。
理由は“人材が確保できない”からと云う。しかしこれについても“何か視点の違い”を感じる。私が着任した数年前、既に正職退職後の補充を全て賃金職員で埋めていた。問題はここから始まっていたのだが、経営者(?)は現場の実践と云うことまで踏み込んで考えていない。“賃金格差が大きいのに、業務格差がないというのは、何れ大きな課題を残すことになる”と何度も提言したのだが、時の管理者は現場の“質”よりも“経費抑制”のみに執着した。その結果、年功型の序列が残り若手職員が徐々に疲弊していく。更にフットワークの重い定年待機組やモチベーションは低いが組織にモノを云わないモラトリアム職員が残り、意のある若手や有能な臨時雇用の職員は意欲を喪失して去っていくようになった。

今になって“良い人材が確保できない”という..........

人材確保を狙って小手先の手当を考えるよりも、管理者として今こそ真剣に考えなければならないのは“人を育てる”ことではないか。現場の魅力を伝え後任職員を養成する為の実習生の受入や、新任から現任に至るまで、職員の専門性を高める為の職場研修の在り方などを真剣に考えることが重要と思う。

テーマ : 福祉のお仕事
ジャンル : 福祉・ボランティア

しばらくお休みしていましたが........盆休みに思うこと

7月は公私共に色々な出来事があり、ブログ更新をする気力体力が萎えていた。
(そこでちょっと出勤前に)

今週は盆休みが始まり自宅に帰る利用者さんはソワソワと落ち着きがない。帰省することが出来ない利用者さんの中には“せめて親の寺にだけは行きたいんだけど.....”と切実に訴えてくる方もいる。実は昨日、IさんとSさんがそろって訴えに来た。私はこのお二人の直接の担当者ではないため“担当の職員には相談してみた?”と云うと“Sには云ってもなぁ~、やっぱりこういうことはあんたでないとダメだよ”とのこと。色々とその前後の話を伺ってみると“Sには話が通じないんだよ。分かった分かったとは云うけど、去年も何もしてくれなかったし.....”と2人してふさぎ込んでしまった。“取りあえず、もう一度私から話してみようか”というと“無駄だからいいよ”と諦めてしまった様子。

実は昨年も担当職員には“せめて盆の寺参りぐらい連れて行ってあげたらどうなのか”と話していたのだが、結果は“後で.....”と云うだけであった。結局その職員は要望を伝えている利用者さんの話を聴くこともなく自分の休暇予定を話して喜んでいたと。私も指示したことについて事後確認を怠ってしまい反省していたのだが、今年も結局S職員は何も企画することなく自分の休暇に入ってしまったらしい。

まずは明日、Iさんと一緒にSさんの菩提寺がある街まで出かけてこようと思う。片道約1時間ちょっとの小さな街で豪放快活に過ごしていた若い頃のSさん。きっと帰り道ではSさんがいつも話してくれるラーメン屋さんに行くことになると思う。

たったそれだけの時間でも、SさんとIさんにとっては良い盆休みになる筈だ。

盆休み

間もなく盆休みを迎えるが自宅に帰る事が出来るのは入所されている方の30%ほどに過ぎない。

その他の方々は数日間の休日を悶々として過ごすことになるため、当然不機嫌になったり行動不穏になる。そうした状況を少しでも和らげようと、帰省できない方々の為に夏祭りを企画してくれる職員が居る。そうした小さな心遣いで多少なりとも和やかな時間を過ごすことが出来るのだ。

ただ忘れて欲しくないのは、利用者さんは行事そのものを欲している訳ではなく、その行事を通じて“自分たちと心を通わせてくれる人”を求めているということ。

昼食後、リビングで手と手を重ねて一緒にテレビを見ている利用者さん職員がいた。一瞬“君は休憩時間じゃないだろう”と注意しようと思ったが、その2人の姿にはとても暖かいモノを感じる情景だった。たった数十分の時間だが快い時間を共有していることが2人の笑顔がら感じられるものだった。

ほんの少しの時間でも、そうした心の通う時間を自然に持てるスタッフになって欲しいと思う。

テーマ : 現場職員のぼやき・悩み
ジャンル : 福祉・ボランティア

社会福祉援助現場実習について

つい先日、今年度最初の社会福祉援助現場実習が終了した。

これまでも何点かの課題を抱えながら携わってきたが、施設=組織として学生を受け入れることに意義を見いだしているかといえば疑問の残るところ。“そんなことに執着している暇はない”と云う管理者からは、自ら職員養成・教育の責任を放棄している様子が伺われる。スタッフ養成や施設の社会的意義を再認識するには、いずれこの業界に来る可能性のある学生に“どれだけ魅力のある仕事”かということを伝える義務があると思う。しかし現実には学生の受入や職員教育は“担当者?任せ”という状況が多い。(※現場の職員がこの実習の意味を意識化して業務することは困難だということは理解できるのだが.......)

そこで2年前から実習指導者や各現場での受入担当者で“実習委員会”を設置して取り組んでいるのだが、そこでも話題になるのは“学生に何をどう伝えるかが難しい”ということ。ようは指導者や担当者自身が社福士の役割や求められる姿を把握していないことや、実際に入所施設のソーシャルワーク業務が“どういうことなのか”という“業務整理がされていない”ことが入所施設の一番の問題だと思われる。

漫然と学生を受け入れて、日常のルーチンとなっている介護介助業務を4週間もさせているような実習先が多いと某福祉大学の教員から聞いたことがあるが、障害者施設にはそれ以上に“人”として生活する上で涵養されるべき倫理や価値観に触れる場でなければならないと思う。

実習受入領域の別によっては、実習生も“即戦力”としての能力を求めるところもあるようだが、それは現場実習に求められることではない。この実習を通して学生が“何を感じて”“どのように考えたか”それを確認する機会としての実習でも十分に価値はあるのではにだろうか。

学生の能力や社会人としての成熟度をはじめから評価の基準として設定していこうとする向きのあるが、それにも些か疑問を感じるところがある。私自身も何人もの学生と関わる中で気づかされたことが沢山ある。いわゆる専門職として持っていた仕事に対する見識も、実はノーマルな生活を考えるとき、本人の気持ちを考えるとき、果たして“それが当たり前”と云えるものではない“ずれ”を持っていることがある。学生の素朴な疑問に答えを窮するような場面が有ったときなど、自分自身にも新たな“気づき”を与えてくれる。

お盆明けにはまた、新鮮な気持ちで社福士を目指す学生に会えることが楽しみだ。

テーマ : 社会福祉士
ジャンル : 福祉・ボランティア

プロフィール

どんぐり隊長

Author:どんぐり隊長
知的障がいの方の入所施設に勤めてはや20数年。入所型施設の意義は?あるべき姿は?施設に求められているものはなにか?職員(支援者)の存在価値や倫理は?を常に自問自答しつつ、日々の仕事で感じたことを平易に書き連ねてみたいと思っています。

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