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地域生活を阻むもの

先日、kさんと一緒にS市へ行った。

目的の一つは療育手帳の再判定。もう一つは今住んでいるケアホームを出てS市に転居したいと云う想いをご兄弟に伝えることだった。もともとkさんはS市に住んだことはないのだが、保護者(?)がお兄さんになっている関係でS市に住んでみたいとのことだった。

それ以前に、

今住んでいるケアホームの世話人とのトラブルやスタッフとの確執、就労支援事業所の仕事と賃金に対する不満、そうしたご本人の気持ちに何も応えられない支援者に対する不満etc..........

そこでS市で地域生活を直接間接にバックアップしている(※当然、生活全てにおいて)知人のところへ相談に行き“住む場所を選択することも当然の権利なのだから”と云われ、ご本人は完全にその気になっていたのだが...............

翌日、kさんのお兄さんのお宅へ行き、その経緯を伝えると、

“それはお前の我が儘だ、今までどんなに迷惑かけてきたのか考えろ!”と、呆気なく却下されてしまったのだ。この時点ではいくら説明しても納得してもらうことはできないと判断したため“まぁ今すぐにという事ではなく、これからそうしたことも考えて見たいと云うことです。実際にS市に来てもしっかりとサポートしてくれるスタッフは揃っているので、また改めてご相談させて下さい”と話して帰って来た。

kさんご本人は“ダメだと云われると思っていたよ、仕方ないよな”とかなり意気消沈してしまった。S市の知人も“焦らずもう少し時間をかけよう、それ以前にkさんを諦めさせないようにしよう”と云うことになった。

地域生活を阻むもの

kさんに限らず、まず一番最初にご本人の夢や希望を阻害するのは一番身近にいる者(時に支援者であり、時に家族であり、時に近隣住民であったり)だと云うこと。まぁ100%がそうでは無いのですが..........


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テーマ : 障害者の自立
ジャンル : 福祉・ボランティア

自立支援審査会

先日、自立支援審査会があった。

障害者自立支援法の施行から3年の節目で、障がい程度の区分認定更新のケースが多かった。
そしていつも感じること........

はたして各審査会(※当地の審査会は4つ合議体で構成されている)で、精度の違いは無いのだろうか。審査時には各委員の専門的知見は尊重されているのだろうか?

市の事務局も昨年までの職員構成と異なり、事前準備や情報の提供内容が微妙に異なっている。k事務局員も含めて、審査会委員の研修や各合議体の審査基準の突き合わせを複数回行うべきだと思う。

親亡きあと

昨日、障害程度区分認定のために訪問調査に伺った。

60歳近いご本人と80歳を過ぎたお母さんの2人暮らしで、週に何回か居宅介護を利用されているとのこと。
ご本人は10代半ばから健康状態が悪くなり、10年ほど前からは室内の移動も思うようにいかずお母さんが終日介護されている。

1時間ほど面談し失礼しようとした時、“これはどうしたらいいんでしょうね。私もこの歳になるとなかなか理解が難しくて”と、お母さんが1通の封書を私に見せてきた。それは受給者証の更新申請書で締め切りが3日後になっていた。一通り記入例に基づいて説明し“私が記入しましょうか”と云うと“すみませんがお願いします”と.........

申請書自体はそれほど難しいものではないが、80歳を過ぎたお母さんにとっては確かに説明不足の記入例と如何にも事務的な更新のお知らせの文書になんともやるせない思いであった。“最近では、この子に大丈夫って云われるのが一番辛いです。先のことは正直云って考えたくないんですけど、この子もいい歳になってしまいどうしたらいいのか、辛いもんですねぇ”と........

私とお母さんの会話をそれとなく側で聞いていたご本人からも不安な様子が伺われた。“まずはお母さんとご本人さんのお二人が健康に生活していけるように考えましょう。色々と相談に乗ってくれる人を紹介しますから、一度連絡してください。”と知人のいる相談支援事業所の連絡先を残してきた。

そのメモを大事そうに電話機のそばの柱に画鋲でとめている姿を見て、これまで周囲の者はどのようなフォローをしていたのかを考えるととても申し訳ない気持ちになってしまった。

私は訪問調査した結果を提出する際に、概況調査票以外にも必ずご本人及びご家族の生活状況に関するコメントを付している。自立支援審査会にこのコメントが開示されているか否かは分からないが、少なくとも市の事務局は見ている筈である。

もっともっと障がい当事者の暮らしや気持ちを身近に感じるようにならなければ、本当に納得してもらえる福祉サービスなど提供できないと思う。

申し訳ない

いつも登場するkさんが、昨日も私のところへ来て“もう、どうしていいのか分からんくなった”と肩をおとしながら呟くように云った。“まだ世話人や地域支援スタッフとしっくりこないのかい”と云うと“今頃になってkさんは将来どうするつもりなの?って、地域(支援)のSから云われたんだ。今頃になってだよ。ずっと俺はどうしたらいいだろうか?働くにはどうすればいいか?住む場所も別(ケアホーム以外)の所に行きたいんだけどってずっと云ってきたのに、立場が苦しくなってから云われても俺には考えられないのに”と.......

結局、彼は“自分が悩んでいる時には何も話してくれなかったのに今更なんだ!という思いが強くなっているのだ。我慢させたり諦めさせることが自分たちの仕事になっている地域支援スタッフの専門職としての不甲斐なさに対してどのような対応が必要か。私としては単純に配属を変えるなどといった小手先の手段では何一つ解決しないことをよく知っている。彼らは“あ~ぁ良かった。めんどくさい仕事から抜けることが出来た”とほくそ笑むだけなのだ。

“Kさんの問題は彼だけの問題ではなく、これから地域に出て行こうとしている当事者さん全員に波及する大きな問題ですよ”と管理者に伝えたところ“組織的に地域支援課を置くこと自体に無理があるんじゃないか。お前(どんぐり)が施設サービスも地域支援も全て掌握していくってのはどうだ”というのが管理者の出した答えだった。

私が云っているのはそういう事ではなく、組織(そのトップ)として彼らのやっている仕事をどのように評価するのかと云うことなのであり、それはトップとしての責任をどう果たしていくのか、当事者に対してどう説明するのかということを云っているのだ。

このままではKさんのこれからの人生に申し訳が立たなくなる。わたしが出来ることは全てやってみようと思う。kさんが今の生活環境に縛られていなければならない理由は無いのだ。kさんが我慢するのではなく納得できる生活環境を整える方策を考えていこうと思う。

テーマ : 障害者の自立
ジャンル : 福祉・ボランティア

数日後のSさん

“他の人にもトレーニングホームを体験させてあげたい”と語ってくれたSさん。

実は一昨日、出勤直後にトレーニングホームの支援に入っていた女性スタッフからSさんの様子がおかしいとヘルプコールが入った。早速トレーニングホームへ行くと“昨日の夕方から部屋に籠もって出てこない。食事も2食摂っていない”とのことだった。
部屋のドアをノックするが返事はなく、ずっとベットに横になっているので“どうしたの?大丈夫かい”と声をかけると一瞬ニッコリと笑顔を見せたが次の瞬間大粒の涙を流し“なぜ職員は辞めていくの?”と泣き崩れてしまった。彼女の不穏の原因はどうやら慣れ親しんだ女性スタッフの“退職”ということが切っ掛けになり、これまでコントロールしていた心を抑えきれなくなったらしい。

心配そうに同居しているメンバーが部屋を覗いていたため“大丈夫だから”と仕事に行くように促し、私1人彼女に付き合うことにした。元々精神疾患を持っている彼女は他者とのコミュニケーションでの課題も多いため、信頼関係が出来上がった人意外の関わりを極度に嫌うところがあり、時に大きなパニックを起こしてしまうことがる。一通り彼女の訴えを聴いたあと“今日は仕事に行かなくてもいいから一緒に居よう”と伝えるとかなり安心した様子であった。

取りあえず遅めの朝食を摂って貰ったあと、2時間ほど彼女の話を聴いて分かったのは、
●本当はこのまま施設に戻らずに生活したいということ。
●実はこの3ヶ月、本当は我慢していたことが2つあったと云うこと。

“本当はこのままトレーニングホームで暮らしたい”というのは彼女に限らずごく自然な欲求で、それに関してはなんとか継続できるように方法を考えていることを伝えるととても嬉しそうであった。しかし“誰が担当してくれるの?”と自分が安心して話せるスタッフが欲しいということであった。

更に我慢していたこととは、“夕食の後でお風呂にゆっくりと入りたい”ことと“ご飯作りを自分もしたい”ということであった。確かにトレーニングホームも6人の共同生活のため、彼女の思い通りに行かないところが多かったのだと思う。さらにそれを素直に伝えられないのが彼女なのだが、スタッフはそれに気がつかないままだったのだ。

小学生の頃から30年近く施設という集団の中で暮らし、個性や自分らしさ(時には感情そのもの)を抑えることを求められ続けてきた彼女の時間をどうやって取り戻していくか。日常という普段着の生活が送れる環境を用意することに合わせて、彼女の失ってきた“心”のケアをゆっくりとしていかなければならないと思う。

プロフィール

どんぐり隊長

Author:どんぐり隊長
知的障がいの方の入所施設に勤めてはや20数年。入所型施設の意義は?あるべき姿は?施設に求められているものはなにか?職員(支援者)の存在価値や倫理は?を常に自問自答しつつ、日々の仕事で感じたことを平易に書き連ねてみたいと思っています。

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